569 : ライアン ◆bDCt54/oZM [] 投稿日:2006/07/30(日) 11:34:39.71 ID:/9cWiOiw0
9月8日 (続き)
アッテムトに戻るとなんだか広場が騒がしかった。
(モンスターでも攻めてきたのか?)
しかし、すでに廃墟となった町。
それはないだろう。
やや警戒心を解きつつ、尚足早にそちらへ向かった。
「あ、ライアンさん。おかえりなさい」
「ミネア殿?これは一体…?」
ミネアは村人たちにスープを配っていた。
死んでいた町がにわかに活気を取り戻したようだった。
(聖母だ…)
アッテムトに戻るとなんだか広場が騒がしかった。
(モンスターでも攻めてきたのか?)
しかし、すでに廃墟となった町。
それはないだろう。
やや警戒心を解きつつ、尚足早にそちらへ向かった。
「あ、ライアンさん。おかえりなさい」
「ミネア殿?これは一体…?」
ミネアは村人たちにスープを配っていた。
死んでいた町がにわかに活気を取り戻したようだった。
(聖母だ…)
576 : ライアン ◆bDCt54/oZM [] 投稿日:2006/07/30(日) 11:39:51.16 ID:/9cWiOiw0
デブとジジイは相変わらずどこかへ行っているようだった。
俺は食事を済ますと馬車へ戻ろうとしたが、
ミネアと二人っきりなのも何だか照れくさいので、
また森へと向かおうとした。
「ライアンさん、また修行ですか?」
片付けをしていたミネアが気付いた。
「ん?あ、あぁ…」
俺はぎこちなく返事を返すと早々にその場を後にしようとした。
「あ、待ってください。夜は危ないですよ?回復魔法があった方が安全ですよね」
俺は自分の鼓動が早くなっていくのを感じた。
「すぐ用意しますから、少し待っていてください」
「ktkr」
「え?」
「いや、なんでもない。早くしてくれ」
俺は食事を済ますと馬車へ戻ろうとしたが、
ミネアと二人っきりなのも何だか照れくさいので、
また森へと向かおうとした。
「ライアンさん、また修行ですか?」
片付けをしていたミネアが気付いた。
「ん?あ、あぁ…」
俺はぎこちなく返事を返すと早々にその場を後にしようとした。
「あ、待ってください。夜は危ないですよ?回復魔法があった方が安全ですよね」
俺は自分の鼓動が早くなっていくのを感じた。
「すぐ用意しますから、少し待っていてください」
「ktkr」
「え?」
「いや、なんでもない。早くしてくれ」
590 : ライアン ◆bDCt54/oZM [] 投稿日:2006/07/30(日) 11:47:36.49 ID:/9cWiOiw0
暗い森の中に俺の剣が風を切る音だけが静かに響く。
雑念を振り払うかのように俺は一心不乱に剣を振る。
一息ついて近くの岩の上を見る。
ミネアが満月の下でタロットをめくっている。
「いつも…」
不意にミネアが話し出す。
「いつも姉さんのことを占うと、このカードが出るんです」
言いながらミネアは太陽のカードを見せる。
「姉さんは不思議な人です。
夜を生きてきた人なのに、その明るさで皆を幸せにしている…」
俺は突然のフラグ展開にそれなんてエロゲ?と思った。
「私も姉さんみたいになりたかった。
でも、私はいつも星のカード。」
「いいのではないか?それで」
俺は剣を振りながら応える。
「二つも太陽があると、星は死ぬ。
何より暑くて敵わん。
太陽は太陽で、星は星で意味がある。
それだけだ」
「ライアンさん…」
雑念を振り払うかのように俺は一心不乱に剣を振る。
一息ついて近くの岩の上を見る。
ミネアが満月の下でタロットをめくっている。
「いつも…」
不意にミネアが話し出す。
「いつも姉さんのことを占うと、このカードが出るんです」
言いながらミネアは太陽のカードを見せる。
「姉さんは不思議な人です。
夜を生きてきた人なのに、その明るさで皆を幸せにしている…」
俺は突然のフラグ展開にそれなんてエロゲ?と思った。
「私も姉さんみたいになりたかった。
でも、私はいつも星のカード。」
「いいのではないか?それで」
俺は剣を振りながら応える。
「二つも太陽があると、星は死ぬ。
何より暑くて敵わん。
太陽は太陽で、星は星で意味がある。
それだけだ」
「ライアンさん…」
597 : ライアン ◆bDCt54/oZM [] 投稿日:2006/07/30(日) 11:51:42.24 ID:/9cWiOiw0
「つっ!」
俺は動揺していたのか、剣を持ち換える時、腕に小さな傷を負った。
ミネアは一つ微笑むと、
「ホイミしますよ」
と岩から降りてきた。
「すまん…」
俺はホイミを受けつつ空を見た。
空にはたくさんの星が輝いていた。
この一つの星のために剣を振るうのも悪くはないと思った。
その時、強烈な殺気を俺は察知した。
(敵か!?)
確かにモンスターの気配だ。
しかし、この感覚は…?
どこにいる…
俺は目を凝らす。
木々の間に、草の陰に。
そして。
一本の木の陰にソレはいた。
「ホイミン!?」
俺は動揺していたのか、剣を持ち換える時、腕に小さな傷を負った。
ミネアは一つ微笑むと、
「ホイミしますよ」
と岩から降りてきた。
「すまん…」
俺はホイミを受けつつ空を見た。
空にはたくさんの星が輝いていた。
この一つの星のために剣を振るうのも悪くはないと思った。
その時、強烈な殺気を俺は察知した。
(敵か!?)
確かにモンスターの気配だ。
しかし、この感覚は…?
どこにいる…
俺は目を凝らす。
木々の間に、草の陰に。
そして。
一本の木の陰にソレはいた。
「ホイミン!?」
618 : ライアン ◆bDCt54/oZM [] 投稿日:2006/07/30(日) 12:02:07.79 ID:/9cWiOiw0
私が初めてもらったホイミ。
それはホイミンズオリジナルでした。
それは甘くてクリーミィで、
こんなホイミをかけてもらる私は
きっと特別な存在なのだと思いました。
1章終了後 ライアンの談話より抜粋
「ホイミンなのか!?」
俺は声に出す。
気配の主はゆっくりと月明かりの下に姿をあらわす。
それは紛れもなく、バトランドで別れたあのホイミンに違いなかった。
「ライアンさん、知り合いの方ですか?」
「あぁ…昔共に戦った仲間だ」
「昔…ですか、ライアンさん」
ホイミンが口を開く。
「そうですよね、昔の話ですよ。アンタ変わっちまった。
そんな女にホイミを受けて喜ぶような人間じゃ、アンタなかったはずだ」
苦虫を噛み潰すようにホイミンが言葉をつむいでいく。
「ホイミン…」
「アンタと別れた後、俺がバトランドでどんな仕打ちを受けたか、
それさえもアンタはしらねぇはずだ。
英雄のお付きとはいえ、俺はモンスターなんだぜ?」
それはホイミンズオリジナルでした。
それは甘くてクリーミィで、
こんなホイミをかけてもらる私は
きっと特別な存在なのだと思いました。
1章終了後 ライアンの談話より抜粋
「ホイミンなのか!?」
俺は声に出す。
気配の主はゆっくりと月明かりの下に姿をあらわす。
それは紛れもなく、バトランドで別れたあのホイミンに違いなかった。
「ライアンさん、知り合いの方ですか?」
「あぁ…昔共に戦った仲間だ」
「昔…ですか、ライアンさん」
ホイミンが口を開く。
「そうですよね、昔の話ですよ。アンタ変わっちまった。
そんな女にホイミを受けて喜ぶような人間じゃ、アンタなかったはずだ」
苦虫を噛み潰すようにホイミンが言葉をつむいでいく。
「ホイミン…」
「アンタと別れた後、俺がバトランドでどんな仕打ちを受けたか、
それさえもアンタはしらねぇはずだ。
英雄のお付きとはいえ、俺はモンスターなんだぜ?」
631 : ライアン ◆bDCt54/oZM [] 投稿日:2006/07/30(日) 12:07:21.49 ID:/9cWiOiw0
ビクリと体が震えた。
俺は、なんて軽率なことをしたんだろうか。
「ライアンさん、いや、ライアン。
アンタ言ったよな。俺を人間にしてくれるってよ。
一緒に旅をするうちに、人間らしい心をもった俺なら、
きっと人間になれるってな…」
ホイミンの瞳に涙が浮かぶ。
「俺は…俺は今のアンタみたいになるくらいならこのままでいい!
ガチムチなバトルを楽しむアンタみたいになりたかった!
だから、さようならだ」
ホイミンはフワフワと森の中へ消えていった。
俺はその背中を止める言葉を持っていなかった。
ミネアが心配そうにホイミンと、俺を交互に見ていた。
「あの方の進む道は…修羅です」
消え入りそうな声でそう言った。
俺は、なんて軽率なことをしたんだろうか。
「ライアンさん、いや、ライアン。
アンタ言ったよな。俺を人間にしてくれるってよ。
一緒に旅をするうちに、人間らしい心をもった俺なら、
きっと人間になれるってな…」
ホイミンの瞳に涙が浮かぶ。
「俺は…俺は今のアンタみたいになるくらいならこのままでいい!
ガチムチなバトルを楽しむアンタみたいになりたかった!
だから、さようならだ」
ホイミンはフワフワと森の中へ消えていった。
俺はその背中を止める言葉を持っていなかった。
ミネアが心配そうにホイミンと、俺を交互に見ていた。
「あの方の進む道は…修羅です」
消え入りそうな声でそう言った。
643 : ライアン ◆bDCt54/oZM [] 投稿日:2006/07/30(日) 12:12:38.45 ID:/9cWiOiw0
9月9日
辛いことは続くものだ。
クリフトが帰ってきた。
しかし、それはクリフトではなくなっていた。
ダンジョンから出てくるなり、勇者は言っていた。
「やっぱ健全な男女交際は2:2でしょwwwwww」
と。
クリフトは一人前のチャラ男になっていた。
ダンジョン内でどうやったのか知らないが金髪になっていた。
「ク…クリフト、『UNO』しないか?」
「え?あぁ、ライアンさんじゃないッスか。今時『UNO』なんてモテないッスよwwww」
俺の中で何かが音を立てて崩れていく。
そんな俺の背中をミネアがそっと支えた。
ホイミンの声が蘇る。
「アンタ そんな人間じゃ なかった ハズダ」
辛いことは続くものだ。
クリフトが帰ってきた。
しかし、それはクリフトではなくなっていた。
ダンジョンから出てくるなり、勇者は言っていた。
「やっぱ健全な男女交際は2:2でしょwwwwww」
と。
クリフトは一人前のチャラ男になっていた。
ダンジョン内でどうやったのか知らないが金髪になっていた。
「ク…クリフト、『UNO』しないか?」
「え?あぁ、ライアンさんじゃないッスか。今時『UNO』なんてモテないッスよwwww」
俺の中で何かが音を立てて崩れていく。
そんな俺の背中をミネアがそっと支えた。
ホイミンの声が蘇る。
「アンタ そんな人間じゃ なかった ハズダ」
656 : ライアン ◆bDCt54/oZM [] 投稿日:2006/07/30(日) 12:18:23.51 ID:/9cWiOiw0
気がつけば馬車内は赤く染まっていた。
足元ではクリフトが、もはや動かないが、転がっている。
ミネアのすすり泣く声が聞こえる。
シュルシュルと、衣服を身にまとう音がやけにうるさい。
これが人間か?ホイミンよ。
俺は人間なのか?
イムルの村の宿屋で話したことを思い出す。
「僕が人間になるより、ライアン様、貴方がモンスターになるほうが早いかもしれませんね」
「ははは、こやつめ…」
誇りも何もない。
俺は戦士になろう。
足元ではクリフトが、もはや動かないが、転がっている。
ミネアのすすり泣く声が聞こえる。
シュルシュルと、衣服を身にまとう音がやけにうるさい。
これが人間か?ホイミンよ。
俺は人間なのか?
イムルの村の宿屋で話したことを思い出す。
「僕が人間になるより、ライアン様、貴方がモンスターになるほうが早いかもしれませんね」
「ははは、こやつめ…」
誇りも何もない。
俺は戦士になろう。
681 : ライアン ◆bDCt54/oZM [] 投稿日:2006/07/30(日) 12:25:10.16 ID:/9cWiOiw0
9月10日
勇者が馬車に外から鍵をかけた。
なるほど、くさいものにはフタ、か。
ジジイは長いこと帰ってきていない。
どうやらロザリーヒルの酒場においてきてしまったようだ。
デブは昨夜遅く帰ってきた。
「商人がこんな町でやることっつったら人買いに決まってるだろ」
と、ブラックなジョークを口にした。
それからクリフトを見て、
「あれ?ダンジョンで死んだの?それともアンタが殺してたりして」
とも言った。
鋭い視線を受け流すように、俺はさぁなとだけ言った。
ミネアは静かに晩飯の支度をしている。
外からは勇者と女二人の嬌声が聞こえてくる。
床に散らばったタロットカードを集めた。
ひいてはいけないカードだけが無くなっていた。
勇者が馬車に外から鍵をかけた。
なるほど、くさいものにはフタ、か。
ジジイは長いこと帰ってきていない。
どうやらロザリーヒルの酒場においてきてしまったようだ。
デブは昨夜遅く帰ってきた。
「商人がこんな町でやることっつったら人買いに決まってるだろ」
と、ブラックなジョークを口にした。
それからクリフトを見て、
「あれ?ダンジョンで死んだの?それともアンタが殺してたりして」
とも言った。
鋭い視線を受け流すように、俺はさぁなとだけ言った。
ミネアは静かに晩飯の支度をしている。
外からは勇者と女二人の嬌声が聞こえてくる。
床に散らばったタロットカードを集めた。
ひいてはいけないカードだけが無くなっていた。
768 : ライアン ◆bDCt54/oZM [] 投稿日:2006/07/30(日) 13:08:50.80 ID:/9cWiOiw0
9月11日
勇者様はガスの壺を気球屋に渡したようだ。
「空の旅とかやばくね?」
と相変わらずはしゃいでらっしゃる。
馬車は乗れないんだろうな、と思うが
聞いても返事もわかっているし何も聞かず、
俺はリバーサイドの町を出た。
「ミネアか」
俺の後ろを歩く足音が止まる。
「……どうするつもりですか?」
「何がだ?」
検討はついているが、俺は気付かないフリをした。
勇者様はガスの壺を気球屋に渡したようだ。
「空の旅とかやばくね?」
と相変わらずはしゃいでらっしゃる。
馬車は乗れないんだろうな、と思うが
聞いても返事もわかっているし何も聞かず、
俺はリバーサイドの町を出た。
「ミネアか」
俺の後ろを歩く足音が止まる。
「……どうするつもりですか?」
「何がだ?」
検討はついているが、俺は気付かないフリをした。
769 : ライアン ◆bDCt54/oZM [] 投稿日:2006/07/30(日) 13:09:09.62 ID:/9cWiOiw0
「気球、完成したら、私たち、どうなるんでしょうか…」
常識的に考えて、馬車が入る余裕など、あのサイズの気球にはあるまい。
いらない、使えないものは捨てていくんだ、となればデブを筆頭に馬車メンバーは切られるのだろう。
「お前は…お前はレギュラーに戻れ」
「いやです」
ミネアはハッキリと言った。
「私の居場所はここです」
ミネアの声が背中から聞こえる。
ホイミンよ。
俺は間違っていたのかもしれない。
だが、俺はやはりお前の嫌う人でありつづけたい。
そう思う。
「ライアン様、空飛ぶ靴はダンジョン内で履いちゃだめですよ…」
さようなら、ホイミン
常識的に考えて、馬車が入る余裕など、あのサイズの気球にはあるまい。
いらない、使えないものは捨てていくんだ、となればデブを筆頭に馬車メンバーは切られるのだろう。
「お前は…お前はレギュラーに戻れ」
「いやです」
ミネアはハッキリと言った。
「私の居場所はここです」
ミネアの声が背中から聞こえる。
ホイミンよ。
俺は間違っていたのかもしれない。
だが、俺はやはりお前の嫌う人でありつづけたい。
そう思う。
「ライアン様、空飛ぶ靴はダンジョン内で履いちゃだめですよ…」
さようなら、ホイミン
781 : ライアン ◆bDCt54/oZM [] 投稿日:2006/07/30(日) 13:15:49.00 ID:/9cWiOiw0
9月12日
パーティーを見捨てた、という世間体を気にしてか、
気球は馬車も入れるサイズだった。
どうやら心配は杞憂に終わったらしい。
クリフトの棺桶がイヤな匂いを出している。
勇者様はすっかり忘れているようだ。
今日はエルフの里に向かうらしい。
3人パーティーだから、とまたスネオのようなことを言った。
諦めて馬車で待機していたら帰ってきた。
女が増えていた。
どうとでもなれ。
パーティーを見捨てた、という世間体を気にしてか、
気球は馬車も入れるサイズだった。
どうやら心配は杞憂に終わったらしい。
クリフトの棺桶がイヤな匂いを出している。
勇者様はすっかり忘れているようだ。
今日はエルフの里に向かうらしい。
3人パーティーだから、とまたスネオのようなことを言った。
諦めて馬車で待機していたら帰ってきた。
女が増えていた。
どうとでもなれ。
789 : ライアン ◆bDCt54/oZM [] 投稿日:2006/07/30(日) 13:17:50.37 ID:/9cWiOiw0
9月12日
今日の勇者様の名言ベスト3
3 「やっぱハーレム落ち着くわ〜wwww」
2 「何か馬車がくせぇwwww」
1 「天空人と人間のハーフ産まね?wwwwww」
俺の武器は未だに破邪の剣だ。
今日の勇者様の名言ベスト3
3 「やっぱハーレム落ち着くわ〜wwww」
2 「何か馬車がくせぇwwww」
1 「天空人と人間のハーフ産まね?wwwwww」
俺の武器は未だに破邪の剣だ。
805 : ライアン ◆bDCt54/oZM [] 投稿日:2006/07/30(日) 13:24:32.67 ID:/9cWiOiw0
9月13日
勇者様が何かわめいている。
朝っぱらから五月蝿い。
馬車の窓から外を見る。もう昼かよ畜生。
なんか天空人とモメてる。
「元気だしなよ勇者様、私たちがいるじゃない」
と踊り子が慰めている。
「なんで女の子の代わりが竜なんだよ。畜生じゃねぇか…」
「しっ!まだ見てるからあんまり大きな声出さないの!」
レギュラーメンバーが勇者様、踊り子、姫、竜になった。
俺はその畜生に劣るというのか。
イライラしながら竜早く死ね、と思った。
メタルキング相手に火を吐いた。
すげぇ、あいつ強いよ。
早速俺より役に立っちゃったよ。
どうとでもなれ。
勇者様が何かわめいている。
朝っぱらから五月蝿い。
馬車の窓から外を見る。もう昼かよ畜生。
なんか天空人とモメてる。
「元気だしなよ勇者様、私たちがいるじゃない」
と踊り子が慰めている。
「なんで女の子の代わりが竜なんだよ。畜生じゃねぇか…」
「しっ!まだ見てるからあんまり大きな声出さないの!」
レギュラーメンバーが勇者様、踊り子、姫、竜になった。
俺はその畜生に劣るというのか。
イライラしながら竜早く死ね、と思った。
メタルキング相手に火を吐いた。
すげぇ、あいつ強いよ。
早速俺より役に立っちゃったよ。
どうとでもなれ。
820 : ライアン ◆bDCt54/oZM [] 投稿日:2006/07/30(日) 13:28:02.78 ID:/9cWiOiw0
9月16日
闇の洞窟長すぎ。携帯電波届かないから凄い暇。
ネットできないのが何より辛い。
宝箱がいっぱいあるみたいだった。
いい武器とかいっぱいあるんだろうなぁ。
でもあのバカ勇者様はきっと捨てちゃうんだろうな。
もったいない。
俺の鎧はまだせいどうのよろいです。
闇の洞窟長すぎ。携帯電波届かないから凄い暇。
ネットできないのが何より辛い。
宝箱がいっぱいあるみたいだった。
いい武器とかいっぱいあるんだろうなぁ。
でもあのバカ勇者様はきっと捨てちゃうんだろうな。
もったいない。
俺の鎧はまだせいどうのよろいです。
827 :ライアン ◆bDCt54/oZM :2006/07/30(日) 13:32:54.23 ID:/9cWiOiw0
9月20日
ついにデスピサロ登場。
勇者様がいきっている。
「終わりにするぜ!!」
はいはい、ワロスワロス。
戦闘開始。2ターン目。早速棺桶が飛び込んでくる。
踊り子だ。
ミネアがザオラルをしてる。
デブがノロノロと出て行く。
「多分すぐ死ぬわ」
本当にすぐ死んだ。
3ターン目。しぶしぶ俺も出ていく。
唸れ!豪火よ!とか、俺も若干テンション上がってクロコダインの真似。
ただのギラです。ふひひ、すいません。
ぎゃ~、いてぇ、防御力俺低いのに狙うなよバカが。
勇者と姫防御してる。死ね。
ついにデスピサロ登場。
勇者様がいきっている。
「終わりにするぜ!!」
はいはい、ワロスワロス。
戦闘開始。2ターン目。早速棺桶が飛び込んでくる。
踊り子だ。
ミネアがザオラルをしてる。
デブがノロノロと出て行く。
「多分すぐ死ぬわ」
本当にすぐ死んだ。
3ターン目。しぶしぶ俺も出ていく。
唸れ!豪火よ!とか、俺も若干テンション上がってクロコダインの真似。
ただのギラです。ふひひ、すいません。
ぎゃ~、いてぇ、防御力俺低いのに狙うなよバカが。
勇者と姫防御してる。死ね。
840 :ライアン ◆bDCt54/oZM :2006/07/30(日) 13:35:55.14 ID:/9cWiOiw0
デスピサロのいてつくはどう!
勇者様が「やっべ」とか言ってる。
俺は何の魔法もかかってないから別に構わない。
こうげきこうげき。
よっしゃ会心の一撃。
剣が折れた。死ね。
「おいヒゲ!コレ使え!」
勇者様が何か武器投げてきた。
まだ戦えってのか畜生。
やけになって攻撃する。
うわ、怪我治った!すげぇ仕組み。
馬車からデブが降りてきた。
ザオラルが効いたらしい。
「人使いがあら…」
また死んだ。
勇者様が「やっべ」とか言ってる。
俺は何の魔法もかかってないから別に構わない。
こうげきこうげき。
よっしゃ会心の一撃。
剣が折れた。死ね。
「おいヒゲ!コレ使え!」
勇者様が何か武器投げてきた。
まだ戦えってのか畜生。
やけになって攻撃する。
うわ、怪我治った!すげぇ仕組み。
馬車からデブが降りてきた。
ザオラルが効いたらしい。
「人使いがあら…」
また死んだ。
863 :ライアン ◆bDCt54/oZM :2006/07/30(日) 13:39:59.81 ID:/9cWiOiw0
竜のヤツが頑張っている。
こうやって、モンスターと肩を並べて戦っているとあの日を思い出す。
今の俺、猛烈に戦士っぽい。
自然と肩に力が入る。
「よぉし!行くぞ!!」
「ヒゲいきんなよwwwww」
勇者本気でウザい。
デスピサロのかがやくいき!
うわ、こいつの息すげぇ冷たい。マジ勘弁。
もってくれよ!俺のウロコの盾!!
と思って左手を前に出す。
盾がない。
「あ、宿代足りなかったからこの前売っちゃった」
目からウロコだ。
こうやって、モンスターと肩を並べて戦っているとあの日を思い出す。
今の俺、猛烈に戦士っぽい。
自然と肩に力が入る。
「よぉし!行くぞ!!」
「ヒゲいきんなよwwwww」
勇者本気でウザい。
デスピサロのかがやくいき!
うわ、こいつの息すげぇ冷たい。マジ勘弁。
もってくれよ!俺のウロコの盾!!
と思って左手を前に出す。
盾がない。
「あ、宿代足りなかったからこの前売っちゃった」
目からウロコだ。
887 :ライアン ◆bDCt54/oZM :2006/07/30(日) 13:45:02.24 ID:/9cWiOiw0
マジ強い。ピサロマジ強い。
ミネアが思い出したようにクリフトにザオラルしてる。
そういえばそんなヤツもいたな。
あぁ、ジジイ、お前の不在が今こそ恨めしい。
勇者様がようやくガチになってる。
これだよ、俺が望んでいたのは。
竜が死にそう。俺はとっさに姫から賢者の石を引っ手繰って使った。
「ナイスだ!ライアン!」
初めて名前を呼んでもらえた。 泣きそうになった。 ホイミン、俺、頑張ってるよ。
デスピサロはだいぶ弱っているようだった。
あと一押しだ!
「あ、これ世界中のしずくじゃなくて、時の砂じゃんwwww」
クリフトが馬車から出ようとして、また棺桶に戻っていった。
ミネアが思い出したようにクリフトにザオラルしてる。
そういえばそんなヤツもいたな。
あぁ、ジジイ、お前の不在が今こそ恨めしい。
勇者様がようやくガチになってる。
これだよ、俺が望んでいたのは。
竜が死にそう。俺はとっさに姫から賢者の石を引っ手繰って使った。
「ナイスだ!ライアン!」
初めて名前を呼んでもらえた。 泣きそうになった。 ホイミン、俺、頑張ってるよ。
デスピサロはだいぶ弱っているようだった。
あと一押しだ!
「あ、これ世界中のしずくじゃなくて、時の砂じゃんwwww」
クリフトが馬車から出ようとして、また棺桶に戻っていった。
910 :ライアン ◆bDCt54/oZM :2006/07/30(日) 13:50:13.31 ID:/9cWiOiw0
ガチモードになったら結構ラクだった。
何これ?ドラゴンシールドとかいうの?
これがすごい。うろこの盾と全然違う。
炎とか防いでくれるらしい。
あんまり魔法が効かないから、ってマーニャが馬車に入ってきた。 タバコ吸ってる。この女マジ怖い。 俺はさっさと外へ出る。
「うおおお!!」バキーッ
砂のせいでまた武器が破邪の剣なの忘れてた。
「ヒゲ空気よめよ」
お前だよボケが。
あんまり魔法が効かないから、ってマーニャが馬車に入ってきた。 タバコ吸ってる。この女マジ怖い。 俺はさっさと外へ出る。
「うおおお!!」バキーッ
砂のせいでまた武器が破邪の剣なの忘れてた。
「ヒゲ空気よめよ」
お前だよボケが。
913 :ライアン ◆bDCt54/oZM :2006/07/30(日) 13:53:15.33 ID:/9cWiOiw0
「はぁぁぁ!せんかれっこうけん!」
とか姫が言ってる。
何こいつ、アニヲタ?きめぇwwww
奇跡の剣でガンガン殴る。
全然余裕じゃん、いけるいける。
馬車の中からマーニャの声がした。
「あと5万出すなら抱かれてもいいよ」
「デブ死ねよ」
勇者とハモっちまった。畜生。
クリフトの死体の傍でセックスすんな。
とか姫が言ってる。
何こいつ、アニヲタ?きめぇwwww
奇跡の剣でガンガン殴る。
全然余裕じゃん、いけるいける。
馬車の中からマーニャの声がした。
「あと5万出すなら抱かれてもいいよ」
「デブ死ねよ」
勇者とハモっちまった。畜生。
クリフトの死体の傍でセックスすんな。
924 :ライアン ◆bDCt54/oZM :2006/07/30(日) 13:58:16.98 ID:/9cWiOiw0
「ぐわぁぁぁぁ…」
デスピサロ苦しそう。よ~し、シメは勇者様に任せよう。
「皆…」
と、勇者様が語りだす。真面目な空気が流れる。
「俺はずっと不甲斐ない勇者だった。 チャラいことばっかりやってきたし、戦力とか、そういうのを考えずにやってきた。 トルネコ、ブライ、ライアン、クリフト。 貴方たちが後ろにいてくれたから、俺は好き勝手に戦うことができた。 本当に感謝してる」
デスピサロ苦しそう。よ~し、シメは勇者様に任せよう。
「皆…」
と、勇者様が語りだす。真面目な空気が流れる。
「俺はずっと不甲斐ない勇者だった。 チャラいことばっかりやってきたし、戦力とか、そういうのを考えずにやってきた。 トルネコ、ブライ、ライアン、クリフト。 貴方たちが後ろにいてくれたから、俺は好き勝手に戦うことができた。 本当に感謝してる」
938 :ライアン ◆bDCt54/oZM :2006/07/30(日) 14:00:46.45 ID:/9cWiOiw0
「勇者様…」
アリーナが見とれている。
「だから! だからこの戦いは皆で終わらせよう。 俺だけじゃなく、皆で勇者になろう」
勇者様は呪文を唱え始めた。
俺はこのパーティーでよかった。
ここまでついてきてよかった…
「ミナデイン!!!!」
死んでたはずのクリフトが馬車から飛び出してくる。
俺はマーニャと入れ替わる。
「へへっ、すんませんねww 見せ場いただきま~っす。あざーす!」
俺は雷の音が聞こえないように布団を被った。
アリーナが見とれている。
「だから! だからこの戦いは皆で終わらせよう。 俺だけじゃなく、皆で勇者になろう」
勇者様は呪文を唱え始めた。
俺はこのパーティーでよかった。
ここまでついてきてよかった…
「ミナデイン!!!!」
死んでたはずのクリフトが馬車から飛び出してくる。
俺はマーニャと入れ替わる。
「へへっ、すんませんねww 見せ場いただきま~っす。あざーす!」
俺は雷の音が聞こえないように布団を被った。
948 :ライアン ◆bDCt54/oZM :2006/07/30(日) 14:03:47.79 ID:/9cWiOiw0
11月4日
バトランドについた。
王様が出迎えてくれる。
「ライアン…大儀であった。よくぞ…よくぞ無事で…」
「王様、一国を預かる主が、国民の前でそのような…」
「構わん。それに、見よ」
王宮前の広場には町中の人が集まってきていた。
「民も、ワシにこうすることを望んでおるよ…」
バトランドについた。
王様が出迎えてくれる。
「ライアン…大儀であった。よくぞ…よくぞ無事で…」
「王様、一国を預かる主が、国民の前でそのような…」
「構わん。それに、見よ」
王宮前の広場には町中の人が集まってきていた。
「民も、ワシにこうすることを望んでおるよ…」
953 :ライアン ◆bDCt54/oZM :2006/07/30(日) 14:07:13.29 ID:/9cWiOiw0
俺は昨夜宿屋で考えたスピーチを読み上げた。
国民が歓声を上げる。
俺の戦うべき戦いは終わり、 俺は自分の戦いたい場所を探そう。
ふと眼下に集まる村人の中に懐かしい気配を感じた。
(まさかな)
俺は振り返る。ミネアがいる。
「ライアン…アンタは変わっちまったよ…」
青い髪の青年が呟いた。
そして、森の方へと消えていった。
(おわり)
国民が歓声を上げる。
俺の戦うべき戦いは終わり、 俺は自分の戦いたい場所を探そう。
ふと眼下に集まる村人の中に懐かしい気配を感じた。
(まさかな)
俺は振り返る。ミネアがいる。
「ライアン…アンタは変わっちまったよ…」
青い髪の青年が呟いた。
そして、森の方へと消えていった。
(おわり)
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